「Instagramの広告で見かけたから登録したのに、出金できない…」
「ARTISANAMから『税金』『検証金』を支払えと言われ、何をすればいいか分からない…」
もしこのような状況に置かれているなら、ARTISANAM(アーティザン・エーエム)は投資詐欺の可能性が高いサイトと考えられます。
ARTISANAM(artisanamhome.com)については、Instagram広告を起点としてLINEグループへ誘導し、出金申請の段階で「税金」や「検証金」といった追加支払いを求める経過のご相談が、ART法律事務所より金融庁の「SNS上の投資詐欺が疑われる広告等に関する情報受付窓口」へ情報提供されている事実が、同事務所の公表により確認できます。
ARTISANAMで送金してしまったとしても、それはあなたのせいではありません。海外の資産運用会社を想起させる名称や、巧妙に設計された誘導の仕組みによって、同じような被害に遭われている方が複数確認されています。
送金してしまった金銭については、状況によって取り戻せる可能性があります。被害回復の可能性を残すうえではスピードが重要ですが、ただし、被害回復が必ず保証されるものではない点はあらかじめお含みおきください。まずは無料相談で状況を伝えるところから始めることをおすすめします。
- Instagram広告→LINEグループ誘導の典型的な構造:Instagram上の投資関連の広告を入口に、「先生」と名乗る指導役と「アシスタント」と称する補助役らが参加するLINEグループへ段階的に誘導される構成が確認されています。
- 「税金」「検証金」名目の出金阻害:サイト上で利益が積み上がるかのような表示がなされた後、出金申請の段階に至って、それまで取引の前提として説明されていなかった「税金」「検証金」名目の追加支払いを新たな条件として求められる経過が報告されています。
- 海外実在企業を想起させる名称構成:「ARTISANAM」という名称は、米国NYSE上場のArtisan Partners Asset Management Inc.を想起させる構成となっており、Whois情報からは登録者の所在を独立に確認できない状態です。
ARTISANAMとは?投資用サイトの正体と被害の実態
ARTISANAM(アーティザン・エーエム)は、Instagram上の投資広告を入口とし、メッセージアプリLINEのグループを経由して投資用サイト「artisanamhome.com」への登録・入金を促す経路で運用されている投資用サイトです。サイト名称が海外で実在する資産運用会社を想起させる構成となっている一方で、運営主体に関する基本情報をログイン前の画面上で確認できる導線が整っていないという特徴が、本サイトの独自調査によって確認されています。
ART法律事務所が公表した通報記事によれば、相談者はInstagramの投資広告からLINEグループへ参加し、グループ内で「先生」「アシスタント」と称する者らから日常的に投資情報の発信を受けた後、ARTISANAMへ登録・入金を行ったとのことです。出金申請の段階で「税金」「検証金」名目の追加支払いを新たに求められた経過があり、同事務所は本件について金融庁の情報受付窓口へ情報提供を実施しています。
本サイトの調査では、ARTISANAMは金融庁の金融商品取引業者等の登録業者一覧に該当する事業者として登録されていないことが確認されています。本記事執筆時点で、サイトの運営主体がいかなる金融上の許認可を受けているかについて、公開情報からは確認できておりません。
金融庁への情報提供内容
ART法律事務所が金融庁の情報受付窓口へ提出した情報提供の概要は、以下のとおりです。

| サイト名 | ARTISANAM(アーティザン・エーエム) |
|---|---|
| 偽サイトURL | https://www.artisanamhome.com/ |
| SNSの種類 | Instagram(広告) |
| 誘導経路 | Instagram広告→メッセージアプリLINEのグループへ誘導 |
| クローズドチャットへの誘導 | あり(「先生」「アシスタント」と称する者らが参加するLINEグループ) |
| なりすまされている著名人等の名前 | ArtisanAM Asset Management(海外で実在する資産運用会社等を想起させる名称) |
| なりすまされている著名人等による公式注意喚起 | 本記事執筆時点では確認されておりません |
| 出金時の追加要求 | 「税金」および「検証金」名目による追加支払いを新たな条件として要求 |
| 情報提供先 | 金融庁「SNS上の投資詐欺が疑われる広告等に関する情報受付窓口」 |
参照:「ARTISANAM(アーティザン・エーエム)」を騙る投資詐欺のご相談を受け、金融庁へ情報提供いたしました
上記の情報提供によって、金融庁ではARTISANAMに関する事案を把握している状況にあります。なお、金融庁の「無登録業者との取引にご注意ください」のページにおいても、無登録の海外業者と称する者からの投資勧誘に関する注意喚起が継続的に発出されており、ARTISANAMの構造はこうした注意喚起の対象となる類型と複数の共通点を持っています。
ARTISANAMの手口を時系列で解説
ARTISANAMの手口は、4段階のフローで構成されています。各段階の特徴を時系列で整理します。
Instagram広告からLINEグループへの誘導
ARTISANAMの手口は、Instagram上に掲載される投資関連の広告から始まります。当該広告をタップすると、自然な操作の延長として、メッセージアプリLINE上のグループへの参加が案内される設計となっています。
Instagramは、写真や動画を中心とした日常的な情報収集の場として広く利用されており、タイムライン上に資産運用や投資をテーマとする広告が表示されること自体は、現在のSNS環境では珍しくありません。利用者の側からすれば、見慣れた広告フォーマットの延長として誘導が進行するため、警戒のタイミングを掴みにくい入口となっています。
「先生」「アシスタント」による日常的な投資情報発信
LINEグループへ参加すると、グループ内には「先生」と名乗る指導役の立場の者と、「アシスタント」と称する補助役の立場の者らが参加しており、投資に関する情報発信が日常的かつ継続的に行われている運営体制が確認されています。
指導役と補助役という役割が並立する構成は、参加者の側から見ると、独立した個人による単発的な発信ではなく、一定の体制を備えた集団による運用がなされているかのような外観を生じさせます。日々の情報発信が継続することで、グループへの心理的な距離が徐々に縮まっていく経過も想定される設計です。
「先生」という呼称自体は、金融や投資の分野で専門的な知見を備えた立場の人物を指す敬称として日常的に用いられる語であり、参加者の側からは、当該人物が一定の専門性と実績を備えているかのような印象を受けやすい構造があります。もっとも、SNS上で名乗られた呼称・氏名・役割と、その人物の実在および身元との対応関係を、利用者の側から直接的に検証することは、現実的にはきわめて困難です。
投資用サイト「ARTISANAM」での虚偽の利益表示
LINEグループ内からの案内に従い、別途、投資用サイトARTISANAM(artisanamhome.com)への登録・入金が進められます。登録後の画面上では、取引を実施するたびに利益が積み上がっていくかのような表示がなされ、利用者としては資産が順調に増加しているとの認識を持つに至ります。
もっとも、画面上の数値の動きと、外部の口座等への実際の資金移転とは、本来別個の事柄として整理されるべきものです。サイト内の表示残高が、利用者の口座から実際に引き出せる金銭の額と同一であるとは限らない点について、画面の数字だけからは独立に確認できない構造となっています。
出金申請時に「税金」「検証金」名目で追加送金を要求
ARTISANAMの手口で最も特徴的なのが、出金申請の段階で「税金」および「検証金」という名目による追加の支払いを新たな条件として求められる展開です。
サイト上では一定の残高が表示されているにもかかわらず、当該残高を外部の口座へ移転するためには新たに別途の入金が必要であると説明される、それまでの取引の流れとは性質の異なる場面となります。
「税金」については、社会一般の取引上の用語として一定の馴染みがあるため、当該名目で支払いを求められた段階で、利用者として直ちに不当な要求と判断することは容易ではありません。一方で、「検証金」については、社会一般の金融取引において必ずしも一般的とはいえない用語であり、その内容や性質が外形的に明確でないことから、当該名目の意味するところを利用者の側で独立に検証することが、構造的に難しい場面となります。
金融庁の金融サービス利用者相談室の公表する相談事例においても、SNSを通じて知り合った人から誘われ投資をしたが、儲けを引き出せず、引き出すには手数料等(保証金、税金、認証料)を払えと言われている、というケースが典型的な相談類型として明示されています。ARTISANAMの「税金」「検証金」名目の追加要求は、こうした類型と複数の共通点を持つ構造です。
正規の金融取引では、株式投資等で生じた利益への課税は確定申告等を通じて自身で行われるものであり、取引サービス側から出金前提条件として税金相当額の事前送金が求められる運用は通常想定されません。出金時に新たな「検証金」を要求される構造も同様です。
ARTISANAMから「税金」「検証金」「保証金」「手数料」「認証料」「サービス料」など、どのような名目で追加支払いを求められたとしても、絶対に応じないでください。追加で送金しても出金が実現する見込みは乏しく、被害が拡大する場面が想定されます。
ART法律事務所の弁護士の見解としては、「税金」のように利用者にとって反論しづらい性質の名目と、「検証金」のように内容が外形的に明確でない名目が組み合わされる構成においては、利用者の側で個々の名目の妥当性を逐一吟味することなく、提示された一連の条件全体に応じざるを得ないかのような心理状態に置かれやすい点が指摘されているとのことです。
ARTISANAMでの被害について、ART法律事務所に状況を伝える
ARTISANAMに関する口コミ・評判の調査結果
本サイトの調査では、X(旧Twitter)、Yahoo!知恵袋、5ちゃんねるをはじめとした主要なSNS・掲示板において、ARTISANAMに関する固有の口コミ・被害報告は本記事執筆時点で確認できませんでした。
もっとも、ネット上で口コミが確認できないこと自体は、サイトの安全性を裏付ける事情にはなりません。むしろ、以下のような複数の要因が重なり、被害情報が表面化しにくい構造が存在しているものと考えられます。
- 新規ドメインゆえの被害情報の未蓄積:artisanamhome.comは2026年3月24日に登録されたばかりのドメインであり、運用開始から比較的短期間しか経過していないため、ネット上に被害情報が広く流通する段階に至っていない可能性があります。
- 被害者側の心理的障壁:「欲を出した自分が悪い」という自責の念や、家族・周囲への発覚を恐れる心理から、被害を公の場で共有することをためらわれる方が一定数存在することが指摘されています。
- 出金阻害型の手口によるタイムラグ:サイト上で利益が出ているように見せかける構造の手口では、被害者ご自身が「詐欺である」と認識するまでに時間差が生じやすく、ネット上に被害情報が広まるまでに相当の経過期間を要する場面が想定されます。
口コミが確認できない段階こそ、独立に確認できる客観的情報(運営者情報・許認可の有無・ドメイン登録情報など)と照らし合わせていただくことが、状況を整理する手がかりとなります。
ARTISANAMの独自調査結果
本サイトでは、ARTISANAMの運営実態を可能な限り公開情報から把握するため、複数の観点から独自調査を実施しました。確認できた事実は以下のとおりです。
金融庁の登録業者一覧に該当なし
ARTISANAMは、日本国内で金融商品取引業を行う事業者として、金融庁の登録を受けていないことが本サイトの調査により確認されました。
金融商品取引法(e-Gov法令検索)では、不特定多数の者を相手方として有価証券の売買等を業として行う場合には、原則として金融商品取引業者としての登録を受ける必要があると定められています。
本サイトが金融庁の金融商品取引業者等の登録一覧を確認した結果、本記事執筆時点で「ARTISANAM」「ArtisanAM Asset Management」「artisanamhome.com」「artisanam.jp」の各名称・URLに該当する登録は見当たりませんでした。日本居住者を対象に投資勧誘・運用サービスを提供しているかのような外観があるにもかかわらず、必要な登録が確認できない状態となっています。
偽サイトの基本情報
本サイトの調査で判明したARTISANAMの基本情報を、以下にまとめます。
| サービス名 | ARTISANAM(アーティザン・エーエム) |
|---|---|
| 確認されているURL | https://www.artisanamhome.com/ https://artisanam.jp/ |
| サービス形態 | Webサイト型投資プラットフォーム |
| 勧誘経路 | Instagram広告→LINEグループ→投資用サイト登録 |
| 運営者情報 | サイト上に正式な法人名・所在地・代表者・登録番号等の記載なし |
| 金融庁登録 | 未登録(金融商品取引業者等の登録一覧に該当なし) |
| 連絡手段 | artisanam.jpには「+81 090」から始まる携帯電話番号の記載あり |
| 登録方式 | artisanam.jpの新規登録画面には「招待コード」入力欄あり |
| 関連サイトの所在 | artisanam.jpのWhois情報上の登録者所在は「singapore」 |
「artisanamhome.com」のWhois情報と運営者情報の不透明性
金融庁への情報提供の対象となった偽サイトのドメイン「artisanamhome.com」について、本サイトでWhois情報の確認を行いました。判明した登録情報は以下のとおりです。

| ドメイン名 | artisanamhome.com |
|---|---|
| 登録日(Creation Date) | 2026年3月24日 |
| レジストラ | GMO Internet, Inc.(Onamae.com/IANA ID:49) |
| 登録者情報 | Whois Privacy Protection Service by onamae.com(プライバシー保護サービスを通じた代理登録) |
| ネームサーバー | a2.share-dns.com / b2.share-dns.net |
| ドメインステータス | clientTransferProhibited |
artisanamhome.comの登録は2026年3月24日に行われており、運用開始から比較的短期間しか経過していないドメインであることが客観的に確認できます。
登録者情報については、レジストラ提供のプライバシー保護サービスを通じた代理登録となっており、Whoisの一般公開情報からは登録者本人の所在を特定することができない状態です。Whois上に表示されている所在情報は、当該プライバシー保護代行サービスの所在地(東京都渋谷区桜丘町)を指すものにとどまり、サイトを実際に運営している主体の所在地と一致するものではありません。
プライバシー保護サービスを通じた代理登録自体は、一般の事業者でも採用されることがある手段です。もっとも、サイト上で海外の資産運用会社を想起させる名称が用いられている本件のような場合には、サイト上の名称から想起される事業実態と、Whois情報から独立に確認できる事実との照合が、状況を整理する一つの視点となります。
「artisanam.jp」のWhois情報と海外拠点
本サイトの調査では、artisanamhome.comとは別に、サイト名称の主要部分が共通する「artisanam.jp」というドメインの存在も独立に確認されました。当該ドメインのWhois情報は以下のとおりです。

| ドメイン名 | ARTISANAM.JP |
|---|---|
| 登録者名 | Web Commerce Communications Limited |
| 登録年月日 | 2026年3月16日 |
| 公開連絡窓口の名前 | chenxiansheng |
| 公開連絡窓口の所在 | singapore(シンガポール) |
| 電話番号 | +65.85259354640 |
| メールアドレス | [email protected](aol.comドメインのフリーメール) |
| ネームサーバー | bella.ns.cloudflare.com / ram.ns.cloudflare.com |
artisanam.jpのWhois情報からは、以下の点が客観的に確認できます。
- 日本向け「.jp」ドメインでありながら登録者所在はシンガポール:日本国内向けの外観を持つ「.jp」ドメインを取得していますが、Whois上の所在地はシンガポールとなっています。
- 公開連絡窓口の名前が「chenxiansheng」:当該名称は、中国語で「陳先生」を意味する一般的な呼称に近い表記であり、法人としての責任者の素性を客観的に検証することが困難な構成です。
- メールアドレスが大手フリーメール:金融サービスを提供する事業者の公開連絡窓口として、AOLのフリーメールアドレスが用いられている構成は、正規の金融事業者では通例見られない運用です。
- ネームサーバーにCloudflareを採用:本来のサーバーの所在を秘匿しやすい構成となっており、サイトを物理的に運用しているサーバーの所在を独立に確認することが困難な状態です。
artisanam.jpとartisanamhome.comが同一の運営主体によって運用されているかどうかについては、それぞれのWhois情報および公開情報を独立に照合する必要があり、本記事執筆時点で断定的に申し上げられる段階にはありません。もっとも、サイト名称の主要部分「artisanam」を共有するドメインが、複数存在していることは、公開情報から確認できる事実として整理されます。
「artisanam.jp」の公式サイト調査|非現実的な高利回りと招待コード制
本サイトでは、artisanam.jp上に表示されているサイトの構成についても独自に確認を行いました。判明した不審点は以下のとおりです。
1. 非現実的な高利回り訴求
artisanam.jp上には、わずか数か月の期間で予想リターン350%を謳う表記が確認されました。世界株式の指数連動投資の年利が概ね5〜9%、優秀なヘッジファンドでも年利10〜20%程度が一般的な水準であることに照らすと、当該数字は現実の金融市場ではまず想定し得ない水準です。世界最高の投資家の一人とされるウォーレン・バフェット氏でさえ、長期の平均年利は約20%とされていることが一般的に知られています。
2. 連絡先に日本の携帯電話番号
artisanam.jp上の問い合わせ先として、「+81 090」から始まる日本の携帯電話番号が記載されていることが確認できます。グローバルな大手資産運用会社が、公式の問い合わせ窓口として個人の携帯番号を使用する運用は、正規の金融事業者では通例見られません。
3. 海外実在企業の本社住所の記載
artisanam.jpの問い合わせ情報の住所欄には、「875 E Wisconsin Ave, Suite 800, Milwaukee」と記載されていますが、この住所は米国NYSE上場のArtisan Partners Asset Management Inc.の本社所在地として公開情報で確認できる住所です。ARTISANAMの運営主体と、米国Artisan Partners社との関係性は、本記事執筆時点では公開情報から確認できていません。
4. 招待コード制による登録
artisanam.jpの新規登録画面では、「携帯番号」「パスワード」「パスワードの検証」とともに、「招待コード」の入力欄が設けられていることが確認できます。
正規の金融プラットフォームにおいて、紹介者の存在を前提とした招待コードを入力しなければ新規登録すらできない構成は、サービスの透明性の観点から疑問が残る運用です。外部からの自由な検証を妨げる設計とも受け取れる構成となっています。
サイト名称「ARTISANAM」と海外実在企業「Artisan Partners」との関係
本サイトの調査で確認できた事項として、米国に「Artisan Partners Asset Management Inc.」という資産運用会社が実在することが挙げられます。当該企業はニューヨーク証券取引所に上場(ティッカー:APAM)しており、公式サイトとしてartisanpartners.comおよび投資家向けサイトapam.comを運用していることが、各サイト上の公開情報および証券取引所の上場情報を通じて確認可能です。
本件で確認されたARTISANAMと、米国の実在企業との対比を以下に整理します。
| 項目 | 米国で実在する資産運用関連企業 | 本件で確認された偽サイト |
|---|---|---|
| 名称 | Artisan Partners Asset Management Inc. | ARTISANAM |
| 主なドメイン | artisanpartners.com apam.com | artisanamhome.com artisanam.jp |
| 所在情報 | 米国(NYSE上場・本社米国) | artisanamhome.com:Whois上はプライバシー保護代理登録 artisanam.jp:シンガポール |
| 運営実態の確認可能性 | 証券取引所の上場情報、投資家向け開示資料等から公開情報による確認が可能 | ログイン前の画面上で運営主体の正式な法人名・所在地・代表者・登録番号等を確認できる導線なし |
| 本件偽サイトに対する公式注意喚起 | 本記事執筆時点では、当該実在企業による「ARTISANAM」に関する公式の注意喚起は確認できておりません | |
ARTISANAMという名称は、その語の構成および並びにおいて、Artisan Partners Asset Management Inc.の社名を想起させる構成となっています。特に「Artisan」という英単語が、両者の名称の先頭部分に共通して用いられている点が指摘できます。
もっとも、本件で確認されたARTISANAMのドメイン(artisanamhome.com/artisanam.jp)は、米国Artisan Partners社の公式ドメイン(artisanpartners.com/apam.com)とは異なるものであり、Whois情報からも実在企業との関係を客観的に確認できる状態にはありません。名称の構成に共通する語が含まれていることをもって、両者の運営主体や事業実態が同一であると評価することは、一般に困難です。
ART法律事務所の弁護士の見解としては、海外で実在する資産運用関連企業の名称と、語の構成および並びの双方において共通する要素を含む名称が、独立した偽サイトのサービス名称として用いられている場合、利用者の側からは当該実在企業の関連事業であるかのような印象を受けやすい構造があるとのことです。サイト名から想起される外観上の事業実態と、ドメイン情報・Whois情報・公開されている事業実態に関する一次情報との間に齟齬が見受けられる場合には、ご登録・お振込みを進められる前に、海外の実在企業の公式サイト等の一次情報と照らし合わせていただくことが、ご状況を確認するうえでの一つの視点となります。
ARTISANAMで送金後、出金できない状況について、ART法律事務所の相談窓口へ
ARTISANAMの被害に遭ったらすべき4つのこと
ARTISANAMで送金してしまった場合や、出金できない状況に置かれている場合、被害の拡大を防ぎ、回復の可能性を残すために取り得る対応があります。以下の4つを順番に進めることが望ましいとされています。
1. 証拠を保全する
被害回復の手続きを進める上で、証拠の保全は最優先で取り組むべき事項です。相手方によってアカウントが削除されたり、サイト自体が閉鎖されたりする前に、可能な限り多くの情報を記録しておくことが大切です。
具体的に保全しておきたい情報は以下のとおりです。
- Instagram広告のスクリーンショット(広告主の表示・誘導先のリンクが含まれていればなお望ましい)
- LINEグループ内のトーク履歴(「先生」「アシスタント」と称する者らからの発言、投資の案内、ARTISANAMへの誘導メッセージ等)
- ARTISANAM(artisanamhome.com / artisanam.jp)のサイト画面・登録画面・取引履歴画面のキャプチャ
- 送金時の振込明細・取引履歴(銀行の振込明細、暗号資産の送金記録、トランザクションID等)
- 「税金」「検証金」名目で追加支払いを求められた際のやり取りの記録
- 相手方のLINE ID・プロフィール情報・電話番号等
これらの情報は、相手方によって突然削除される可能性があるため、気がかりな点があった段階で速やかに記録を残しておくことをおすすめします。
2. 追加送金には絶対に応じない
ARTISANAMの出金阻害は、追加の名目による支払いを次々と求める形で進行する場面が想定されます。「税金」「検証金」を支払えば出金できるかのような説明を受けたとしても、これらの追加要求に応じることで実際に出金が実現する見込みは乏しく、むしろ被害が拡大する場面が報告されています。
追加要求の名目として、「税金」「検証金」のほかに、以下のような語が用いられる場面も想定されます。
- 保証金
- 手数料
- 認証料
- サービス料
- 名義変更料
- 登録料・登録手数料
- 違約金
どのような名目で追加支払いを求められたとしても、絶対に応じないでください。名目を次々と変えて支払いを求めてくる構造は、SNS型投資詐欺において繰り返し報告されている典型的な手口です。
3. 弁護士などの第三者に状況を相談する
被害の拡大を防ぎ、回復の可能性を検討する上では、早い段階で弁護士などの第三者にご状況をご相談いただくことが、その後の取り得る選択肢の幅に影響する場面があります。
弁護士に依頼することで、以下のような対応の検討が可能となります。
- 振込先口座が判明している場合の口座凍結手続きの検討
- 運営者を相手方とする返金交渉・損害賠償請求の検討
- 振り込め詐欺救済法にもとづく被害回復分配金支払の申請手続きの検討
- 警察への被害届の提出に関するサポート
SNS型投資詐欺の事案では、振込時点から相手方による資金移動が進行している場面があり、初動の早さが被害回復の可能性に影響することがあります。ただし、早期にご対応された場合でも、被害回復が必ず保証されるものではない点については、あわせてご理解いただきたい事柄です。
4. 警察に被害届を提出する
ARTISANAMによる被害は、刑事手続きの対象となる可能性があります。最寄りの警察署、または警察庁のサイバー犯罪相談窓口に被害届の提出を検討することができます。
被害届の提出時には、保全した証拠(LINEトーク履歴、サイト画面のキャプチャ、送金明細等)を持参することで、捜査機関による事実関係の把握が円滑になる場面があります。被害届の提出と並行して、弁護士などの第三者と連携することで、刑事手続きと民事手続きの双方を視野に入れた対応が可能となる場面もあります。
ARTISANAMの返金請求は可能?法的根拠と相談先の選び方
ARTISANAMに送金してしまった場合の返金請求については、複数の法的根拠を活用した手続きが検討の対象となります。被害回復が必ず保証されるものではありませんが、状況によっては取り戻せる可能性があるため、まずは法的根拠と相談先の選び方を把握しておくことが大切です。
返金請求に活用できる法的根拠
ARTISANAMの被害に対して活用が検討できる法的根拠は、主に以下の3つです。
1. 不法行為にもとづく損害賠償請求(民法709条)
ARTISANAMによる勧誘が、虚偽の情報により利用者を錯誤に陥らせて金銭を交付させる構造であった場合、民法709条(e-Gov法令検索)の不法行為に該当する余地があります。同条にもとづく損害賠償請求を通じて、送金した金銭の回復を求める手続きが検討できます。なお、刑事面では刑法246条(詐欺罪・e-Gov法令検索)の構成要件に該当する余地もありますが、被害回復は主として民事手続きを通じて進められる点に留意が必要です。
2. 不当利得返還請求(民法703条)
法律上の原因なく他人の財産から利益を受け、これによって他人に損失を及ぼした者は、その利益を返還する義務を負うとされています(民法703条・e-Gov法令検索)。ARTISANAMが正当な対価を提供することなく金銭を受領していた場合、不当利得返還請求の根拠となり得ます。
3. 振り込め詐欺救済法にもとづく口座凍結
振込先の口座が判明している場合、振り込め詐欺救済法(預金口座等に係る不正な利用の防止等に関する法律・e-Gov法令検索)にもとづく口座凍結および被害回復分配金支払の手続きが検討の対象となります。被害者からの情報提供を踏まえて金融機関が対象口座について預金等取引の停止等の措置を取り、所定の公告等の手続きを経て被害回復分配金の支払いが行われる仕組みです。ただし、当該手続きは対象口座の残高状況や被害者間の按分等の運用上の要因によって結果が左右されるため、被害金の全部または一部が必ず回復される手続きではない点については、あらかじめご認識ください。
ARTISANAMの返金請求についてART法律事務所へ詳細を確認する
SNS型投資詐欺の相談に対応している弁護士事務所
ARTISANAMのようなSNS型投資詐欺の事案については、SNSを入口とした投資関連の相談に対応している弁護士事務所への相談が、ご状況のご整理にあたっての一つの選択肢となります。本記事で参照しているART法律事務所は、ARTISANAMに関する相談を受け、金融庁の「SNS上の投資詐欺が疑われる広告等に関する情報受付窓口」へ実際に情報提供を実施した実績がある事務所の一つです。
事務所選びの際に確認しておきたいポイントとして、以下のような事項が挙げられます。
- SNS型投資詐欺の相談実績があるか
- 初回相談が無料であるか
- 秘密厳守の体制が整っているか
- 公的機関への情報提供等の被害防止活動を行っているか
- 振り込め詐欺救済法にもとづく手続きへの対応が可能か
ART法律事務所では、ARTISANAMをはじめとするSNS型投資詐欺について、初回相談を無料で受け付けています。被害回復はスピードが重要とされていますが、ただし、被害回復が必ず保証されるものではない点はあらかじめお含みおきください。状況に気がかりな点があった段階で、相談窓口へお問い合わせいただくことをおすすめします。
ARTISANAMに関するよくある質問(FAQ)
ARTISANAMに関連する事案で寄せられやすい疑問を、以下に整理します。
Q. ARTISANAMは本当に詐欺なのですか?
A. ARTISANAMは、本記事執筆時点で金融庁の金融商品取引業者等の登録一覧に該当する登録が見当たらず、Instagram広告からLINEグループを経由して投資用サイトへ誘導し、出金申請時に「税金」「検証金」名目で追加支払いを求める構造が、SNS型投資詐欺において繰り返し報告されている類型と複数の共通点を持っています。ART法律事務所が金融庁への情報提供を実施している事実もあわせて踏まえると、ARTISANAMは投資詐欺の可能性が高いサイトと考えられます。
Q. 「税金」「検証金」を支払えば本当に出金できますか?
A. 追加支払いに応じても出金が実現する見込みは乏しいと考えられます。金融庁の金融サービス利用者相談室の相談事例でも、SNS型投資詐欺において出金時に「保証金、税金、認証料」等の名目で追加支払いを求められる類型が明示されています。正規の金融取引において、株式投資等で生じた利益に対する課税は確定申告等を通じて自身で行うものであり、取引サービスから出金前提条件として税金相当額の事前送金が求められる運用は通常想定されません。どのような名目であっても、追加送金には応じないことをおすすめします。
Q. ARTISANAMに送金したお金は取り戻せますか?
A. 返金の可能性は、送金先口座の凍結状況、資金の残存状況、被害発生からの経過時間等の個別事情によって異なります。振り込め詐欺救済法にもとづく口座凍結や、民法709条の不法行為にもとづく損害賠償請求、民法703条の不当利得返還請求などを活用できる場面があります。ただし、被害金の回復が必ず保証されるものではない点はあらかじめお含みおきください。被害回復の可能性を検討するためには、初動の早さが影響する場面があるため、お早めに弁護士などの第三者にご状況をご相談いただくことをおすすめします。
Q. 「artisanam.jp」と「artisanamhome.com」は同じ運営ですか?
A. 本サイトの調査では、両ドメインともサイト名称の主要部分「artisanam」を共有しているものの、それぞれのWhois情報からは登録者・所在情報・レジストラが異なる構成となっていることが確認されています(artisanamhome.com:日本のGMO Internet経由のプライバシー保護代理登録、artisanam.jp:シンガポール所在のWeb Commerce Communications Limited経由)。両ドメインが同一の運営主体によって運用されているかについては、現時点で断定できません。もっとも、サイト名称の主要部分を共有するドメインが複数存在している事実自体は、参考情報として念頭に置いておくことをおすすめします。
まとめ
ARTISANAM(アーティザン・エーエム)に関する本記事の要点を、以下に整理します。
- ARTISANAMはInstagram広告からLINEグループを経由して投資用サイトへ誘導し、出金時に「税金」「検証金」名目で追加支払いを求める構造であり、ART法律事務所が金融庁へ情報提供を実施した事実が確認されています。
- 本サイトの調査では、ARTISANAMは金融庁の金融商品取引業者等の登録一覧に該当する登録が確認できず、Whois情報からは運営者の所在を独立に確認できない状態であることが判明しています。
- 関連するドメインとして、artisanamhome.com(日本のレジストラ経由の代理登録)とartisanam.jp(シンガポール所在の登録者)の2つが独立に確認されており、artisanam.jp上では非現実的な高利回り訴求(予想リターン350%)、米国Artisan Partners社の本社住所の記載、招待コード制による登録、携帯番号での連絡先表示など、正規の金融事業者では通例見られない複数の不審点が確認されました。
- サイト名称「ARTISANAM」は、米国NYSE上場の実在企業「Artisan Partners Asset Management Inc.」を想起させる構成ですが、当該実在企業による公式注意喚起は本記事執筆時点で確認できず、両者の関連性も公開情報から確認できる状態にはありません。
- 被害に遭った場合は、証拠保全→追加送金停止→第三者への相談→警察への被害届提出の順で対応を進めることが望ましく、返金請求は民法709条・703条、振り込め詐欺救済法等を法的根拠として検討できます。ただし、被害回復が必ず保証されるものではない点については、あらかじめお含みおきください。
ARTISANAMで送金してしまった、出金できない状況にある、「税金」「検証金」名目の追加支払いを求められて困っているといったお心当たりがある方は、被害回復の可能性を残すうえで、お早めに状況を整理されることが望ましいとされています。
当サイトでは、SNS型投資詐欺に関する関連記事も公開しています。ARTISANAMと類似する出金阻害型の構造の事案として、以下の記事もあわせてご参照ください。
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