
本件のポイント
- 運営元をたどれる表示が、公式サイト・ドメイン・問い合わせ窓口のどこにも残っていない
- Instagramで接触したのちLINEグループへ移し、個人名義の口座に入金させる経路が共通している
- 返金の起点になるのは振込先の口座名義。動き出しが早いほど選択肢は広がるが、被害回復が保証されるわけではない
「CNZDSMの画面には残高が表示されているのに、出金だけができない」
「手数料を先に振り込めば引き出せると言われ、指示された口座に送ってしまった」
そうした声が寄せられているのが、CNZDSMという名前の投資アプリです。この名称で運営されている企業やサービスは、日本語でも英語でも見当たりません。
公式サイトも、独自ドメインも、問い合わせ窓口も見当たりません。iOS・Androidいずれのストアでも、2026年8月の時点で該当するアプリは出てこない状態。
振込先に指定されるのは会社の口座ではなく、個人の名前が付いた銀行口座でした。
この記事では、確認できた事実と確認できなかった事実を分けて並べ、返金を考えるうえで何が材料として残るのかを順に見ていきます。
だまされたご自身を責める必要はありません。信じてしまうよう順序立てられた段取りがあり、同じ経路をたどって同じ場所まで来た方が何人もいます。
送金したお金は、弁護士に依頼することで取り戻せる場合もあります。動き出しが早いほど選べる手段は多く残るものの、回収を確約できる性質の手続きではありません。
CNZDSMとは?名前しか手がかりが残っていない投資アプリ

CNZDSMは、SNSで知り合った相手から投資を勧められた方が、取引のためとして案内されるアプリの呼び名です。
企業の商号でもサービスのブランドでもなく、勧誘のやり取りの中でしか登場しません。上場銘柄のコードやファンドの名称としても使われていない語です。
実在する会社の名前を借りたタイプの偽サイトとは、この点で性格が異なります。借りる対象すらなく、この6文字だけが与えられている状態。
後半で触れる返金の見通しにも、ここが影響します。名前をたどって相手にたどり着く道が、最初から用意されていないためです。
CNZDSMの基本情報
調べられる項目のほとんどが「確認できず」で埋まる、という結果になりました。
| 名称 | CNZDSM |
|---|---|
| 種別 | スマートフォン向けの投資アプリとして案内される |
| 会社情報の記載 | 商号・所在地・代表者名のいずれも見当たらない |
| 連絡窓口 | 問い合わせ先の表示なし |
| 独自ドメイン | 存在を確認できず |
| iOS・Androidでの配布 | いずれの検索結果にも表示されない(2026年8月時点) |
| 接触の経路 | Instagram での接触 → LINE グループ |
| 入金の方法 | 個人名義口座あての銀行振込 |
| 出金時の要求 | 手数料・保証金などの名目で追加の送金 |
| 本記事の調査日 | 2026年8月24日 |
通常であれば、資金を預かる主体と出金の条件は利用規約の形で示されます。CNZDSMでは、その規約にあたる文書自体が見つかりませんでした。
記載がないこと自体は、それだけで違法になるわけではありません。ただ、入金する相手の正体を利用者側から検証する手段が用意されていない、という事実は残ります。
検索しても運営元にたどり着けない構造
「CNZDSM」で検索しても、この投資アプリの情報にはたどり着けません。
実際に検索して並ぶのは、次のような組織です。
- セルビア・クロアチアの児童保護団体(略称が近いだけの別法人)
- 中国の包装機械メーカー(社名の一部が一致)
- カーナビゲーションや電子部品の型番
いずれも投資とは無関係で、名前の一部が似ているにすぎません。
このアプリの存在を知る入り口は、検索でも広告でもありません。一対一のやり取りだけが経路になっています。
自分で探し当てたサービスではないため、名前を頼りに素性を確認しようとしても糸口が残っていません。
公開情報を項目ごとに洗い出した記録は、ART法律事務所によるCNZDSMの公開情報調査にもまとめられています。
CNZDSMの手口|Instagramでの接触から出金拒否まで

報告されている流れは、Instagramでの接触に始まり、出金申請の段階で追加送金を求められるところで止まります。
段階ごとに見ると、それぞれは不自然ではありません。ひとつずつは説明がつく行動として提示されるため、途中で立ち止まる材料が出てきにくい設計。
- SNS上での声かけから、グループチャットへの招待まで
- 専門家や担当者を名乗る人物による売買の指示
- 個人名義の銀行口座への振込
- アプリ画面での利益表示 → 出金申請時の追加要求
警察庁も、SNS型投資詐欺として似た経過を公表しています。外部のトークアプリへ移され、投資用アプリの導入を促されるところまでが前半。
後半は、画面上の利益を信じて振込を重ね、出金時に別途の費用を求められるという流れです(参考:警察庁「SNS型投資詐欺」)。
消費者庁も、SNSをきっかけにした投資や副業の勧誘に注意を呼びかけています(参考:消費者庁「SNSなどを通じた投資や副業といった『もうけ話』にご注意ください!」)。
もっとも、いずれの公表でも個別の業者名は挙げられていません。あくまで参考情報として並べています。
① Instagramで接触し、LINEグループへ移される
入り口はInstagram上の接触。まもなくLINEへ場所を移すよう促されます。
移動の理由は「詳しい説明をしたい」「資料を送りたい」といった形で示されます。連絡先が1つの経路に絞られると、外部の目が届かなくなるという点が重要。
移った先はグループチャットで、そこには他の参加者も並んでいます。利益が出たという書き込みが流れ、参加してよいものだという空気が先に作られていきます。
この段階では、まだお金の話が具体的に出ていないことも少なくありません。
②「先生」「秘書」の指示で個人名義口座へ入金する
グループ内では「先生」「秘書」を名乗る人物が、取引の指示と入金先を伝えてきます。
肩書きと役割分担があることで、組織として運営されているように見えます。指示に従ってCNZDSMを端末に入れ、案内された口座へ振り込む段階へ進む流れ。
ここで指定されるのが、法人ではなく個人名義の口座です。グループ名やプラン名だけを示され、個人名義の口座へ振り込ませる形は、BCLMaxをめぐる株式投資詐欺でも報告されています。
振込先の名義が毎回変わることもあり、この場合は控えをすべて残しておいてください。
③ 画面上で利益が増え、出金時に手数料・保証金を求められる
アプリの画面では資産が増えていき、出金を申し込んだ瞬間に条件が現れます。
示される名目は手数料や保証金。いずれも「先に払えば引き出せる」という説明が添えられ、払っても着金せず、次の名目が続くという報告もあります。
画面に並ぶ数字は、資金が動いた記録ではありません。表示を書き換えるだけで残高は増やせるため、増え方そのものは運用の証拠になり得ないのが実情です。
最終的には連絡が途絶えます。ここまで来て初めて名前を検索し、この記事にたどり着く方が大半ではないでしょうか。
CNZDSMのどこが危険なのか|正規の投資サービスとの決定的な違い

危うさは、やっていることの中身よりも、正規のサービスなら必ずあるものが欠けている点に表れています。
投資サービスを名乗る以上、預かった資金の扱い、出金の条件、運営主体の所在という3つは示されるのが通常。CNZDSMでは、この3つがそろって見当たりません。
一つひとつは、それだけで違法と断じられる性質のものではありません。ただ、3つが同時に欠けたまま資金だけを集める形を、投資サービスとして説明するのは困難でしょう。
資金を誰が預かるのかが最後まで示されない
投資資金を個人名義の口座で受け取る形は、法律が求める資産の分け方と噛み合いません。
金融商品取引業者には、顧客から預かった資産を自社の財産と区分して管理する義務があります(金融商品取引法)。区分されていれば、出金は預かり分から処理されるはず。
区分が守られている場合、次の状態が保たれます。
- 利用者の資金は、事業者の財産と別枠で管理される
- 出金の処理は、預かり分の範囲内でおこなわれる
- 案内される振込先は、事業者の名義で開設された口座
個人名義の口座では、この区分がそもそも成り立ちません。入った資金は名義人の財産と混ざり、誰の取り分なのかを外から判別できなくなります。
名義人が第三者に口座を貸していたケースでは、犯罪収益移転防止法に定める禁止行為にあたります。
ただし返金という観点では、個人名義であることが必ずしも悪材料になるとは限りません。この点は独自調査の項で改めて触れます。
出金の条件が、入金したあとに作られている
入るときは振り込むだけ、出るときは新たな支払いが必要という非対称が生じています。
正規のサービスであれば、手数料の額と発生条件は取引を始める前に示されているはず。あとから名目が現れること自体が、条件が事前に決まっていなかったことの表れです。
本来、費用が必要なら預かり分から控除すれば足りるはずです。控除できない事情があるとすれば、控除する対象の資金そのものが無い可能性を考えざるを得ません。
条件を後出しする相手と、利用者だけで交渉を成立させるのは現実的ではありません。手元の資料を持って、CNZDSMの返金についてART法律事務所に無料で相談するという選択肢もあります。
運営会社・連絡先・利用規約のいずれも示されていない
不具合が起きたときに連絡する先が、どこにも用意されていません。
探して確認できなかったのは、次の項目です。
- 商号・所在地・代表者名の表示
- 電話・メール・フォームといった問い合わせ窓口
- 利用規約に相当する文書
- 手数料の定めと出金条件の記載
- 登録番号や法人番号の掲示
これらが1つ欠けているだけなら、単なる不備として片づけられるかもしれません。すべてが欠けている状態は、示さない設計であることを示唆します。
利用者からすると、資金を渡す相手を確認する手段が用意されていないという意味になります。困ったときに連絡すべき先も、争うべき相手の名前も、この時点では判明しません。
CNZDSMの口コミ・被害報告は確認できたか

X・Yahoo!知恵袋・掲示板の3つを調べましたが、利用者の書き込みは1件も確認できませんでした。
投資アプリの名前で検索したとき、通常なら何かしらの話題が引っかかります。使ってみた感想、出金できたという報告、逆に怪しむ声。そのどれも出てきません。
ここでお伝えしたいのは、書き込みが無いこと=安全ではないという一点です。むしろ本件では、無いこと自体に理由があると考えられます。
X・Yahoo!知恵袋・掲示板の調査結果
3つのチャネルすべてで、該当する投稿はゼロ件でした。
| 調べた場所 | 結果 |
|---|---|
| X(旧Twitter) | 該当する投稿を確認できず |
| Yahoo!知恵袋 | 該当する質問・回答を確認できず |
| 5ch・掲示板系 | 該当するスレッド・書き込みを確認できず |
| 調査時点 | 2026年8月24日 |
検索そのものが空振りしたわけではありません。この6文字で引っかかるのは、海外の児童保護団体や中国の機械メーカーといった、まったく別の組織ばかり。
なお、同じ結論に別の調査も到達しています。2026年7月に公開された弁護士事務所の記事でも、3チャネルとも書き込みが見つからなかったと報告されました。
1か月あいだを空けた2つの調査が同じ結果になったのなら、たまたま見落としたという説明は取りにくいでしょう。
口コミが見つからないこと自体が示していること
投稿が出てこない背景にあるのは、勧誘が閉じた場所だけで進む設計。
広告で不特定多数に配るタイプの勧誘なら、目にした人が話題にするでしょう。CNZDSMは違い、届く相手が最初から絞られています。
- 入り口はInstagramの個別メッセージで、第三者の目に触れない
- 移動先のLINEグループも、外から中身を見られない
- アプリの配布期間が短ければ、感想が積み上がる前に姿を消す
名前でしか語られない投資プランが口コミを残さないまま被害だけ進む形は、BHZTAProをめぐる株式投資詐欺でも見られました。
検索して何も出てこなかったことを、安全の裏づけとして受け取らないでください。名前が新しいのか、それとも語られないよう作られているのか、検索結果からは区別がつきません。
CNZDSMの独自調査結果

公開情報から運営主体へ近づく経路は、調べた範囲では一本も残っていませんでした。
返金の話は、誰に対して、どの口座へ、いつ送ったのかを確定できるかどうかで大きく分かれます。相手が決まらなければ、請求を始める前の段階で止まってしまうため。
そこで、追跡に使えそうな窓口を順に当たりました。金融庁の一覧、ドメインの登録記録、アプリストアの配信元表示という3つ。
金融庁の登録業者一覧・無登録業者一覧に該当なし
登録側の一覧にも、警告側の一覧にも、この名称は載っていませんでした。
照合したのは次の2つ。
ここで注意したいのが、後者に名前が無いことの意味です。掲載の対象になるのは警告文書が出された相手だけで、手続きが進んでいない業者は載りません。
金融庁自身も、一覧に無い者が無登録営業にあたる行為をしている場合があると呼びかけています(参考:金融庁「無登録業者との取引は要注意!!」)。
反対に、登録が無いというだけで詐欺だと確定するわけでもありません。適法かどうかと詐欺かどうかは、別の軸で判断されます。
判断に迷う段階でも、CNZDSMの被害回復についてART法律事務所の無料相談を利用することはできます。
照合できるドメインが存在せず、Whoisを取得できない
ドメイン登録情報を調べようにも、照合する対象のドメインがありません。
通常の偽サイト案件であれば、ここで登録日や登録者の国を示し、運営の実態を推し量ります。
CNZDSMではその手順に入れません。登録者情報が伏せられているというより、いつ誰が押さえたのかという記録自体が、どこにも作られていない格好。
本件で当たれなかったのは、次の窓口です。
- ドメインの登録日・登録者情報(照合対象そのものが無い)
- 免許番号・登録番号からの逆引き(掲示なし)
- 法人番号による商業登記の確認(掲示なし)
素性をたどる材料が、そもそも一つも置かれていないわけです。
公開情報を項目ごとに突き合わせた記録は、CNZDSMのドメイン調査に関するART法律事務所の記録でも確認できます。
App Store・Google Playのいずれでも配信を確認できない
ストアの検索窓にこの名称を入れても、それらしいアプリは出てきません。
Android向けのストアや、APKを配るサイトでも同名のアプリは出てきません。かつては掲載されていたと報じられており、7月の時点で既に消えていたと伝えられています。

ストアの掲載欄には、配布元の名称と所在国が必ず並びます。ページが取り下げられれば、その2項目も一緒に見られなくなるという関係。
取り下げの事情は公表されていないため、配信の停止だけを取り出して詐欺と決めつけることもできません。
とはいえ、審査を通った配布元の情報という残された窓口が、これで塞がっています。すでに端末へ入れている方は、アプリ内に残る表記が唯一の記録になり得ます。
消す前に画面を保存してください。いま入っている表示を、あとから取り直す手段はもうありません。
CNZDSMのアプリを消す前に|いま手元でできる3つのこと

本件では、相手側にたどれる情報がほとんど残っていません。手元の端末に入っている記録が、そのまま出発点になります。
気づいた直後、アプリを削除したくなる方は少なくありません。見るのがつらい画面であることは確かでしょう。
ただ配信はすでに止まっており、入れ直して同じ画面を呼び出す方法がありません。消した瞬間、残高も履歴も戻らなくなります。
順番を付けるなら、次の3つを上から実行してください。
1. 残高・取引履歴・出金申請の画面を、消す前に保存する
画面を撮るだけで足ります。撮影日時が写り込む形にしておけば、あとから出来事の順番を並べ直すときに役立ちます。
撮っておきたいのは、次の画面です。
- 残高と、増えていった経過がわかる表示
- 取引履歴の一覧(表示できる範囲すべて)
- 出金を申し込んだときの画面と、返ってきたメッセージ
- アプリ内に配信元や開発者の表記が残っていれば、その部分
4つ目は見落とされがちですが、ストアの掲載が消えた今、配信元をうかがわせる数少ない材料。設定画面や「このアプリについて」の欄を一度開いてみてください。
保存先は端末内だけにせず、クラウドか別の機器にも置いておくと安心です。端末が故障すると、これらも一緒に消えてしまいます。
2. 振込先の口座名義が写ったメッセージを最優先で残す
3つのうち最も急ぐのが、口座情報の保全です。請求する相手を割り出す道が、本件ではここにしか残っていません。
金融機関の口座は、開設のときに本人確認がおこなわれ、記録が残ります。相手が自ら出した情報ではないぶん、あとから握りつぶすことができません。
残しておきたいのは、次の2種類です。
- 名義・口座番号・金融機関名が読み取れるメッセージ
- 振込を実行した明細(送金日・金額・相手方の表示が入ったもの)
その次に優先したいのがLINEのトーク履歴。グループを相手側で削除されると、こちらの画面からも中身が見えなくなる設定になっている場合があります。
トーク履歴はバックアップ機能で丸ごと保存できます。加えて、入金の指示が書かれた部分だけは画像でも残しておくと、後から探す手間が減るでしょう。
3.「手数料を先に払えば出金できる」に応じない
この段階で追加の振込に応じても、残高が戻ってきたという報告は確認できていません。
手数料、保証金、税金、認証費用。名目は入れ替わりますが、要求されている行為はどれも同じで、新たにお金を送ることです。
すでに払ってしまった方も、そこで止められれば被害はそれ以上広がりません。払った分も含めて、日付と金額を控えておいてください。
「あと一回で解決する」と言われている最中は、判断が難しいものです。判断を保留したまま、送金だけを止めるという選択もできます。
CNZDSMの返金は目指せる?送金手段で分かれる見通し

どの手段で送ったかによって、使える制度が変わります。本件で報告されている送金先は、法人ではない個人名義の口座です。
銀行振込であれば、打てる手はまだ残っています。とはいえ、制度が使えることと、実際にお金が戻ることは別物。
分かれ目になるのは、振込先の残高です。送られた資金は短いあいだに引き出されてしまうことが多く、日数が経つほど見込みは細くなります。
なお、出金の名目で暗号資産を送ったケースもあり得ます。ご自身の送金がどちらだったかを思い出しながら、以下をお読みください。
銀行振込で送っていた場合|口座凍結と被害回復分配金
金融機関へ届け出ることで、口座の利用を止めてもらえる場合があります。
根拠になるのが振り込め詐欺救済法です。詐欺に使われた疑いのある口座について、金融機関が取引の停止を判断できる仕組みが置かれています。
止まった口座に残高があれば、被害回復分配金として配られる可能性も。手続きの流れは全国銀行協会「振り込め詐欺救済法とは」で公開されています。
- 金融機関へ届け出て、口座の取引停止を求める
- 資金が残っていた場合、分配金の支払手続きへ進む
- 並行して、弁護士会照会で名義人の確認を試みる
一方、凍結が間に合わず残高がゼロなら、分配は受けられません。名義人が判明しても、口座を貸しただけで支払う資力がないというケースもあります。
早く動くほど残高が残っている可能性は高まるものの、被害回復が必ず保証されるものではありません。
振込の控えが手元にある段階で、ART法律事務所の無料相談でCNZDSMの返金の見通しを確かめるという進め方もあります。
暗号資産で送っていた場合|振り込め詐欺救済法の対象外
暗号資産の送付には、口座凍結にあたる制度が用意されていません。
振り込め詐欺救済法が想定しているのは、金融機関の預金口座です。ウォレット間の送付はこの枠に入らず、止める仕組みがそもそも存在しません。
アドレスをたどること自体は技術的に可能でも、その先の人物に届くには取引所の協力が要ります。
- ウォレットのアドレスには、利用を止める仕組みがない
- 取引所の所在が国外だと、問い合わせ自体が通りにくい
- そもそも本人確認をしていない事業者も存在する
この場合に検討されるのは、受け取った側への返還請求です。民法の不当利得返還請求(703条)や不法行為に基づく損害賠償請求(709条)が根拠になり得ます。
ただし、いずれも相手を特定できて初めて動き出せる手続き。暗号資産だけで送っていた事案は、回収の見込みが立ちにくいのが実情です。
相談先ごとにできること
窓口によって、できることの範囲がはっきり分かれます。
| 相談先 | できること |
|---|---|
| 弁護士 | 口座名義人の照会、凍結の申入れ、返還請求の代理 |
| 金融機関 | 振込先口座の利用停止に向けた対応 |
| 警察 | 被害届の受理と捜査。返金そのものは扱わない |
| 消費生活センター | 助言と窓口の案内。交渉の代理は扱わない |
弁護士には、所属する弁護士会を経由して金融機関へ問い合わせる権限があります(参考:日本弁護士連合会「弁護士会照会制度について」)。
口座を持つ人物の氏名や住所にたどり着ける場合があるのは、この制度が働くためです。
警察への相談は警察庁「サイバー事案に関する相談窓口」から、消費生活センターは消費者ホットライン188から探せます。
ART法律事務所は詐欺被害の回復を取扱分野に掲げ、初回相談は無料・秘密厳守で対応しているとのこと。悪質業者について金融庁等へ情報提供する活動も公表されています。
「CNZDSMの返金ができる」とうたう業者に注意したい特徴

情報が少ない案件ほど、検索結果を押さえた側へ流れ込みやすくなります。
CNZDSMは、この名称でしか検索されません。口コミも掲示板の書き込みも存在せず、比較材料がゼロの状態。
そこへ「回収します」という広告が並べば、そこしか選択肢がないように見えてしまいます。被害に気づいた直後は判断力も落ちており、余計に足を止めにくい状況。
二次被害という言葉があります。最初の被害から回復しようとして、別の相手にもう一度お金を渡してしまう状態を指します。
情報が少ない案件ほど、検索結果を占有した側に誘導されやすい
「CNZDSM 返金」と打ったときに並ぶものが、そのまま選択肢に見えてしまう点が危うさです。
そもそも、対価を得て他人の返金交渉を代わりにおこなえる立場にあるのは、原則として弁護士だけです(弁護士法72条)。
送金先を洗い出すところまでなら、調査を業とする会社でも成り立つ余地はあります。ただ、そこから先の掛け合いまで引き受ける形になると、この規定に抵触するおそれ。
本件のように相手の名前が判明していない案件では、「調査」と「交渉」の線引きが曖昧になりがちです。何をどこまでやってもらえるのかを、契約の前に文書で確かめてください。
依頼の前に確認したいこと
費用と担当者、この2つを口頭ではなく書面で押さえておくと、あとから食い違いが起きません。
依頼を決める前に、次の点を確認しておくと判断しやすくなります。
- 窓口ではなく、弁護士自身が担当に入るのか
- 着手金・報酬金それぞれの額と、支払いが生じる条件
- 回収に至らなかった場合、費用がどう扱われるか
- この案件で何を実行するのかという中身の説明
パンフレットや電話越しの案内で済ませず、担当する弁護士に直接ぶつけるのが早道です。登録番号と所属会については、日弁連が公開する弁護士検索で突き合わせられます。
回収できる見込みが薄い事案について、正直にそう伝えてくれるかどうかも判断材料になります。どんな案件でも引き受けるという説明には、慎重になったほうがよいでしょう。
CNZDSMに関するよくある質問
ここまでの内容と重ならない範囲で、寄せられやすい疑問をまとめました。
CNZDSMのアプリを消す前に、どの画面を残しておけばよいですか?
残高・取引履歴・出金申請の3画面と、アプリ内に配信元の表記があればその部分です。
すでに配信が止まっており、削除すると同じ表示を二度と呼び出せません。撮影日時が写る形で保存してください。
「CNZDSM」で検索しても海外の別団体しか出てきません。名前が違うのでしょうか?
綴りは合っています。上位に出るのは略称がたまたま近いだけの海外団体やメーカーで、投資とは関係がありません。
このアプリ自体の公式な情報が、どこにも公開されていない状態です。
CNZDSMの口コミが1件も見つからないのは、被害がまだ少ないからですか?
件数の少なさとは限りません。勧誘が閉じた場所だけで進むため、体験談が外に出にくい構造になっています。
投稿がゼロであることは、安全性を示す材料になりません。
CNZDSMで出金手数料を先に払えば、残高は引き出せるのでしょうか?
支払いに応じて残高が戻ったという例は、調査した範囲では見つかりませんでした。名目は入れ替わっても、求められている行為は毎回同じ。
支払いを止めた時点で、それ以上の被害は広がりません。
CNZDSMの振込先が個人名義でした。相手を特定できますか?
可能性は残ります。口座の開設時に本人確認がおこなわれ、金融機関へ記録が残るためです。
弁護士会照会という制度で名義人へたどり着ける場合はありますが、特定できた結果として回収まで至るとは限りません。
まとめ

CNZDSMについて、2026年8月の時点で確認できたことを整理します。
- 公式サイト・独自ドメイン・問い合わせ窓口のいずれも見当たらない
- 金融庁の登録業者一覧にも、無登録業者一覧にも名称の記載がない
- App Store・Google Playとも、配信されている形跡を確認できない
- 接触はInstagram、指示はLINEグループ、入金先は個人名義の銀行口座
- SNS・Q&Aサイト・掲示板のいずれにも利用者の声が残っていない
返金の起点になるのは、振込先の口座名義です。相手の素性をたどる経路が他に残っていないため、手元の記録の価値がそのぶん高くなります。
時間が経つほど手元に残る選択肢は減っていきますが、返金が必ず実現するとお約束できるものではありません。見通しが立たない段階の相談でも、状況の整理からは始められます。
免責事項
本記事は、情報提供を目的としたコンテンツです。
本記事の内容は、公開日時点の法令および一般的な法的見解に基づいています。
個別の事案への適用については、必ず専門家(弁護士等)にご相談ください。
本記事の情報に基づいて行動した結果について、運営者は責任を負いかねます。









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